エコーとナルキッソス#2

仲間をかくまったエコーでしたが
ヘラにはバレてしまいます。
激怒したヘラはエコーに呪いをかけます。
それは“相手の言葉を繰り返すことしかできない”という呪いでした。
おしゃべり好きだった彼女は
自分の気持ちとは関係なく
相手の言葉を繰り返すだけ…。
「こんにちは」と言われたら
「こんにちは」。
「あなたのお名前は何て言うの?」と言われても
「名前は何て言うの?」としか返せない。
こうしてエコーは誰ともまともに会話ができなくなってしまします。

傷ついたエコーは森の木陰からナルキッソスを眺めるだけの日々が続きます。
そんなある日、ナルキッソスがエコーの気配に気づきました。
「そこに誰かいるのかい?」
ナルキッソスは呼びかけます。
「君は誰?」
「隠れてないで出ておいでよ。」
甘い声で呼びかけられて嬉しくなったエコーは
勇気を出してナルキッソスの前に姿を現しました。
しかしエコーの口から出るのはオウム返しの言葉だけです。
「君は誰?」「出ておいでよ。」とエコーも言い返します。
ところがナルキッソスはすでに
“会話にならないヘンな妖精エコー”の事を知っていました。
「なんだお前だったのか。」とナルキッソス。
それでもエコーは笑顔で「なんだお前だったのか。」と応えます。

by 1996utc | 2008-11-27 21:08 | エコーとナルキッソス