エコーとナルキッソス#3

ナルキッソスとおしゃべりできると思い
笑顔で「なんだお前だったのか。」と応えたエコー。

「会話にならないじゃないか。気味悪いヤツめ!
お前なんか消えてしまえ!」

喜んでナルキッソスの前に出て行ったのもつかの間
彼のひどい仕打ちにエコーは絶望の淵に叩き落されてしまいます。
しかし、彼女の口から出てくる言葉はやはりこれだけです。
「お前なんか消えてしまえ!」
エコーは泣きながら立ち去りました。
そしてそのまま山奥の洞窟の中に隠れてしまします。

ナルキッソスを想い、涙に暮れては
「消えてしまえ」という言葉を繰り返します。
やがて身体は痩せ細り、ついには「消えてしまえ」の通り
本当に身体が消えて“声だけの存在”になってしまったのです。

エコーは身体を失った今でもひっそりと山のどこかに隠れています。
その証拠に、山に向かって大声で呼びかけると
エコー(こだま)は同じ言葉で応えてくれるでしょう?

エコーに対するあまりにひどい仕打ち。
これをとがめられたナルキッソスは
復習と因果応報の神ネメシスに
愛を侮辱した罪により呪いをかけられます。

それは“決して報われない恋をする”という呪いです。
今まで言い寄られる事はあっても
自ら恋に落ちた事がないナルキッソス。
そんな彼が、ある日恋に落ちます。
by 1996utc | 2008-11-30 20:27 | エコーとナルキッソス